昨今、介護業界におけるハラスメントの問題が横行しています。自分が被害者になってしまう場合もあれば、何気ない言動で加害者になってしまう場合もあるのです。
しかし、それを踏まえて対策をうつ際には、そもそもハラスメントとはどんなものなのかを知っておくべきでしょう。「ハラスメント」という言葉自体は、他者に対する迷惑行為、不快にさせる行為の全般を指す言葉で、その内容によって、身体的、精神的、性的、パワハラ、といった言葉で区別されます。介護業界においては、例示したようなハラスメントは全て発生する可能性があります。では、これらのハラスメントが横行するそもそもの理由にはどんなものがあるでしょうか。
1つには、ハラスメントに対する認識不足があり得ます。つまり、ハラスメントは他者を害する犯罪である、という認識が欠けているのです。身体的な暴力は暴行罪や傷害罪に、精神的な暴力は侮辱罪や名誉棄損罪になり得ますし、パワハラは労働基準法違反にもなる可能性があります。ですが、ハラスメントという言葉によって、それが企業内での「いやがらせ」程度にしか認識されかねないのです。
その最たるものが性的なハラスメント、いわゆるセクハラです。これも人の尊厳を踏みにじる卑劣な行為ですが、上記のものとは違い、日本にはセクハラを罰する法律がないのです。なので、セクハラという言葉で納得して、受け入れるしかないとあきらめる人も多いのです。
しかし、先に述べたようにこれらは他者を害する行為です。自分が加害者にならないように気を付けるとともに、被害に遭った際は誰かに相談することを必ず覚えておきましょう。